健康診断でコレステロールを指摘されたら:信頼できる情報源ガイド
健康診断で血液中のコレステロール値や中性脂肪の値に注意が必要と言われたとき、漠然とした不安を感じる方は少なくないでしょう。特に自覚症状がない場合、「本当に大丈夫なのだろうか」「何をすれば良いのか分からない」と戸惑うこともあるかもしれません。
テレビやインターネット、周囲の方からの情報など、健康に関する情報は様々ですが、中には不確かなものも含まれています。「これを食べればすぐに数値が下がる」「特別なことをすれば改善する」といった情報に振り回されてしまう可能性もあります。
このページでは、健康診断でコレステロール値を指摘された方が、安心して正しい情報を得るために、どのような情報源を確認すれば良いのかをご案内します。
コレステロールとは?なぜ気にする必要があるのか
私たちの体には、細胞膜やホルモンの材料となるコレステロールや、エネルギー源として使われる中性脂肪など、様々な種類の脂質(油分)があります。これらは生きていく上で欠かせないものですが、血液中のこれらの脂質の量が多すぎたり少なすぎたりして、バランスが崩れた状態を「脂質異常症」と呼びます。かつては「高脂血症」とも呼ばれていました。
脂質異常症自体には、ほとんど自覚症状がありません。しかし、この状態が長く続くと、血管の内側に脂質が溜まりやすくなり、血管が硬く狭くなる「動脈硬化」が進みやすくなります。動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中といった、命に関わる病気の大きな原因となることが分かっています。
そのため、健康診断で脂質のバランスが崩れていることを指摘されたら、自覚症状がなくても、今後の健康のために適切な対応を考えることが大切になります。
信頼できるコレステロール・脂質異常症の情報源を探す
コレステロールや脂質異常症について正しい知識を得て、安心して向き合っていくためには、信頼できる情報源を参照することが非常に重要です。
1.医療機関:かかりつけ医や健康診断を受けた医療機関
最も確実で、ご自身の状況に合った情報を得られるのは、やはり医療機関です。健康診断の結果を持って、医師や保健師、管理栄養士に相談しましょう。
- 医師: 健康診断の結果について詳しく説明を受け、ご自身の状態に合わせた今後の進め方についてアドバイスをもらえます。治療が必要か、生活習慣の改善で良いか、どのような点に注意すべきかなど、専門的な判断と指導が受けられます。
- 保健師・管理栄養士: 生活習慣の改善(食事や運動)について、具体的なアドバイスを受けられる場合があります。
疑問や不安な点は、遠慮なく質問することが大切です。
2.公的な機関や専門機関のウェブサイト
厚生労働省や国立研究開発法人、病気に関する研究を行っている専門機関などは、科学的な根拠に基づいた正確な情報を提供しています。
- 厚生労働省: 疾患に関する基本的な情報や、健康増進のための取り組みについて掲載されています。
- 国立循環器病研究センター: 循環器病(心臓病や脳卒中など)に関する専門的な情報が、一般の方にも分かりやすく解説されています。脂質異常症も循環器病のリスクとなるため、関連情報が豊富です。
- e-ヘルスネット(厚生労働省): 生活習慣病や健康に関する様々な情報が、専門家によって分かりやすくまとめられています。脂質異常症に関する項目もあります。
これらのサイトは、情報の正確性が高く、安心して参照できます。サイト内で「脂質異常症」「コレステロール」「動脈硬化」といったキーワードで検索してみましょう。
3.病気に関する学会のウェブサイト
病気について研究している専門家の集まりである「学会」も、信頼できる情報源となります。
- 日本動脈硬化学会: 脂質異常症や動脈硬化に関する専門的な情報を提供しています。一般の方向けの分かりやすい解説やパンフレットなどを公開している場合もあります。
学会のサイトに掲載されている情報は専門的ですが、一般の方向けに分かりやすくまとめてある資料を探してみるのも良いでしょう。
信頼できる情報をどう活用するか
信頼できる情報源を見つけたら、次にその情報をどのように活用するかが重要です。
- 情報を鵜呑みにしない: 一つの情報源だけを見るのではなく、複数の信頼できる情報源(公的機関、学会、そして何より主治医)を参照して、情報の共通点や違いを確認しましょう。
- ご自身の状況と比較する: インターネット上の一般的な情報は、あくまで一般的な内容です。ご自身の年齢、他の持病の有無、健康診断の具体的な数値などは一人ひとり異なります。得た情報を基に、最終的には必ず主治医と相談し、ご自身にとって最適な方法を見つけてください。
- 「簡単に治る」情報に注意: 「〇〇を食べるだけでコレステロールが劇的に下がる」「このサプリメントで全て解決」といった、効果を過度に強調する情報は注意が必要です。脂質異常症の改善には、バランスの取れた食事や適度な運動といった、毎日の生活習慣の見直しが欠かせない場合がほとんどです。魔法のように簡単に解決する方法はない、と冷静に考えましょう。
まとめ
健康診断でコレステロール値などを指摘され、不安を感じることは自然なことです。大切なのは、その不安な気持ちのまま、不確かな情報に飛びついてしまうのではなく、落ち着いて信頼できる情報に目を向けることです。
まずは健康診断の結果を持って医療機関を受診し、専門家である医師に相談することをお勧めします。その上で、公的な機関や専門学会のウェブサイトなどで、ご自身の状況に近い情報を探してみましょう。
信頼できる情報源から正しい知識を得ることは、脂質異常症と適切に向き合い、将来の健康を守るための第一歩となります。このページが、皆さまが安心して健康情報にたどり着くための一助となれば幸いです。