知っておきたい市販薬(OTC医薬品)のこと:信頼できる情報源ガイド
身近な市販薬、安心して使うための情報源
日々の暮らしの中で、ちょっとした体の不調を感じた時に、薬局で手軽に購入できる「市販薬」にお世話になる方は多いと思います。医師の処方箋なしで購入できる市販薬(OTC医薬品とも呼ばれます)は便利ですが、種類が多く、どれを選べば良いか迷ったり、他の薬や健康食品との飲み合わせが心配になったりすることもあるかもしれません。テレビCMやインターネット、あるいはご近所の方からの情報で見聞きすることもあるでしょう。
しかし、市販薬も医薬品ですので、正しく使うことが大切です。誤った使い方をしたり、自分の症状に合わないものを選んでしまったりすると、期待した効果が得られなかったり、かえって体調を崩してしまったりする可能性も考えられます。
この「信頼ヘルス情報ガイド」では、市販薬について安心して情報を得るために、どのような情報源を参考にすれば良いのか、そして情報を見る際にどのような点に注意すれば良いのかをご案内します。
市販薬(OTC医薬品)とは何か
市販薬(OTC医薬品)とは、医師の処方箋がなくても、薬局やドラッグストアなどで購入できる医薬品のことです。頭痛薬、かぜ薬、胃腸薬、貼り薬、目薬など、さまざまな種類があります。
これらの薬は、比較的リスクが少なく、自分で症状を判断して使用できるように作られていますが、医薬品であることに変わりはありません。正しく使用するためには、添付文書などをよく読み、不明な点があれば専門家に確認することが重要です。
市販薬を選ぶ際に確認したいこと
市販薬を選ぶとき、あるいは使用する前に、いくつか確認していただきたい大切な点があります。
- 症状は市販薬で対応できる範囲か? 軽い症状の場合は市販薬で対処できることもありますが、症状が重い場合や長く続く場合、いつもと様子が違う場合は、自己判断せず医療機関を受診することが大切です。
- ご自身の体の状態に合っているか? 持病がある方、アレルギーがある方、妊娠中や授乳中の方、高齢者、小さなお子さんは、使用できる薬に制限があったり、注意が必要だったりすることがあります。
- 現在服用している薬や健康食品との飲み合わせは大丈夫か? 病院で処方された薬や、他の市販薬、サプリメントや健康食品の中には、一緒に飲むと影響が出ることがあります(これを「相互作用」と呼びます)。思いがけない副作用が出たり、効果が弱まったりすることがあります。
- 以前に薬で副作用が出たことはないか? 過去に特定の薬で体に合わなかった経験がある場合は、同じ成分や似た成分を含む薬で再び症状が出る可能性があります。
これらの点について不安がある場合は、自己判断せず、必ず専門家にご相談ください。
信頼できる市販薬の情報源
市販薬について知りたいとき、どのような情報源を参考にすれば良いでしょうか。特に信頼できる情報源として、以下のものが挙げられます。
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薬局・ドラッグストアの薬剤師・登録販売者 市販薬の購入時には、薬の専門家である薬剤師や登録販売者に相談するのが最も良い方法です。ご自身の症状や体の状態、他に服用している薬などを伝えることで、適切な薬の選び方や使い方についてアドバイスを受けることができます。気軽に相談できる身近な専門家です。
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医薬品医療機器総合機構(PMDA)のウェブサイト 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、厚生労働省所管の独立行政法人です。医薬品の承認審査や安全対策に関する業務を行っています。 PMDAのウェブサイトでは、「医療用医薬品」だけでなく「一般用医薬品(市販薬)」に関する情報も公開されています。特に、添付文書の情報(薬の効能・効果、用法・用量、使用上の注意など)や、副作用に関する情報などを確認することができます。
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)ウェブサイト (外部サイトへ移動します)
- PMDAのサイト内で市販薬の情報を探す際は、「一般用医薬品」や製品名をキーワードに検索してみてください。
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厚生労働省のウェブサイト 厚生労働省は、医薬品を含む医療制度全体を管轄する省庁です。医薬品に関する法規制の情報や、安全に使用するための注意喚起などが掲載されることがあります。
- 厚生労働省ウェブサイト (外部サイトへ移動します)
- サイト内の検索窓で「市販薬」「一般用医薬品」などのキーワードで関連情報を探すことができます。
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製薬企業の公式ウェブサイト(情報に偏りがないか注意) 市販薬を製造・販売している企業の公式ウェブサイトでも、製品に関する情報を得られます。製品の添付文書情報などが掲載されています。ただし、これは自社製品に関する情報ですので、あくまで参考の一つとして利用し、複数の情報源と照らし合わせたり、専門家に確認したりすることが望ましいでしょう。
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薬の「添付文書」や「製品表示」 市販薬の箱の中には必ず「添付文書」が同封されています。ここには、その薬に関する最も重要で正確な情報(効能・効果、用法・用量、成分、使用上の注意、副作用など)がすべて記載されています。文字が小さい場合もありますが、使用前に必ず確認するようにしましょう。また、薬の箱や容器にも基本的な情報が記載されています。
添付文書のここを確認しましょう
添付文書には様々な情報が書かれていますが、特に以下の点は使用前に確認することをお勧めします。
- 効能・効果:どのような症状に効くのか
- 用法・用量:1回にどれだけ、1日に何回飲む(使う)のか。食前・食後など飲むタイミングも
- 使用上の注意:「してはいけないこと」や「相談すること」の項目。特に、特定の持病がある場合や、他の薬との飲み合わせに関する注意が記載されています。
まとめ:正しく知って、市販薬と上手に付き合いましょう
市販薬は、私たちの健康管理を助けてくれる便利な存在です。しかし、その便利さゆえに、安易に考えず、医薬品として適切に扱う必要があります。
テレビやインターネット上の情報、あるいは知人からの情報だけを鵜呑みにするのではなく、ご紹介したような公的な機関や薬局の専門家といった信頼できる情報源を積極的に活用してください。
もし、市販薬について少しでも不安や疑問を感じたら、迷わず薬局の薬剤師さんや登録販売者さんに相談しましょう。それが、市販薬を安全に、そして効果的に使うための最も確実な方法です。
このサイト「信頼ヘルス情報ガイド」が、あなたが信頼できる健康情報にたどり着くための一助となれば幸いです。ご自身の健康のために、正しい情報を見つける習慣を大切にしてください。